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僕が本当に面白いと思うこと

6月3日に京都で一人コントライブします。よかったらどうぞ。

7/2 カフカ単独ライブ「白いカフカ 軽率24時」の振り返り

僕のやってるお笑いコンビの単独ライブの振り返り記事です。

 

 

7/2 第二回単独ライブ「白いカフカ 軽率24時」

@北野ハッピーローラ ¥1000

1 コント 居酒屋①

今回のオープニングコント。
登場人物の紹介、設定の紹介をするためのネタ。

今回の主人公である野球選手の今井と工場労働者のたかゆき、その二人の何気ない居酒屋での会話。二人はかつての同級生だけど、今では立場の上下があるので発言のレイヤーが重ならない。

そして飲み物を注文する際、おごるよ、という今井に対して、たかゆきは何を注文してよいか決めることができない。そして苦悩し、悶絶した挙句、犬の遠吠えみたいなのをする。結局今井と同じものを注文する。

そのあと二人の恋愛の話になる。たかゆきは元カノの名前を背中に彫ってしまったと告白。あれこれやり取りがあって、「なんでそんなことしたん?」「ウケるかなって思って」「軽率やな」で終了。

とにかく、今回の単独が前回よりウケたのは一本目をちゃんとやったからかなと。8分くらいかけて、じっくりネタを聞く雰囲気を立ち上げることに成功。前回、一本目が謎だらけの時間になってしまって笑いを取る準備を仕切れなかったので、今回は手堅く。

 

2 漫才  親切

本ネタとしては一本目。人に親切にするべきだと熱弁する僕が、自分なりの理屈に基づいて人を殴って回っている、という漫才。

長い時間をかけてフリをして、ボケを一つドン、そのあとにやり取りをいくつかする、というのを天丼で3セット繰り返すネタ。フリの時点でそこそこの笑いが来て、決めたいボケできちんと笑いが取れたのでとりあえず狙い通り。ネタとして見やすいだろうと思ってこの位置に置きました。

「人間は力に従わねばならない」というテーゼをここで一つ提示。単独全体のコンセプトにもなるところ。

 

3 コント ホームランの約束

普段は僕がボケなのですが、このネタは相方の今井くんをボケに。野球にはストイックだけど野球以外のことは何も知らない野球選手と子供のやり取り。

これに関しては、本番前の練習の方が出来が良かったなあ。ちょっと僕のツッコミ(というかリアクション)が淡々としすぎたというか、感情の変化を出せなかったというか。

このネタは今井くんはシステムに従って動くキャラクターで、僕のリアクション芸がキモになるところなんだけど、うーん。いなすような感じで終わってしまったかな。このネタに関してはもっとはっきり演じた方がよかった。反省。

このネタの後の幕間音声で、野球選手の今井くんが覚せい剤取り締まり法違反で逮捕されたことを提示。

 

4 漫才 小説のアイディア

漫才・コント・ピンのうちおそらく毎回一本は入るフレーズ連呼型のネタ。前回はピンネタで「堂珍義邦」を連呼しましたが、今回は漫才で「山本昌」を連呼。

古代ローマを舞台にした小説」に大量の山本昌が出てくるというギャップ一本の漫才です。

客層的にどうなんだろうという懸念はあったのですが、ちゃんと山本昌が伝わったようで大きくウケました。ちょこちょこ挟んだ展開の変化も手堅く笑いになった感じで。ただあれだ、最後はやっぱり「谷繁40人」の方が面白かったかもなあ。

「なんでこんなもん作ったん?」「ウケるかなって思って」「軽率すぎるやろ」で終了。

 

5 企画①

フリートークと休憩。

 

6 コント 占い師 竿玉肉子(さおたまにくこ)

野球選手をクビになった今井選手が占い師のところに行くコント。今井選手はさっきのコントだとボケでしたが、こっちだとツッコミ役に。

序盤は占い師の竿玉肉子が延々とふざけて話が進まないシチュエーションコント的な内容。ふざけるたびに竿玉肉子は「今のは竿玉節(さおたまぶし)」「私は占い師だけど節師(ぶしし)でもあるから」「竿玉節目当てで来る人もいる」などと弁解する。

中盤は竿玉の提案で、ストレスを発散するために二人でファックと連呼する流れに。ファックをものすごい回転でいうとファーになる、という竿玉の理論に基づいて、今井も試みるのだけどうまくいかない。

終盤、竿玉に罵倒された今井がキレる。ここで竿玉の本性が現れる。竿玉は人間が落ちぶれるのを見て興奮する変態だった。「子供のころ赤とんぼの羽根ちぎって遊ぶ子いたでしょ、竿玉はアレ」

そして竿玉が手から数珠を外すと超能力が発動。今井はものすごく苦しみ全身が痛いという。しかし突然竿玉が倒れる。近づいて体をゆする今井。「あ、なんだ、病気か」で終了。

文字に起こしてもまったく意味が分からないネタですね。

これは序盤がものすごくウケてたというか、竿玉肉子のキャラクターが客席にハマっていたので、この感じだと無理に展開しなくてもいいなあと振り返ります。変にストーリーつけなくても面白いかもなあ。

 

7 ピン   たかゆきと母 第一話

僕のピンネタ。事前に録音したセリフ音声を用いる一人コントです。マツモトクラブとは違って、自分のセリフを自分で録音してのコント。そのぶんステージ上では動きで好き勝手できるので、フリップを出したり踊ったり。

就職面接から帰った息子に対して、母親が「あなたが会社の犬になれるように今日まで伏線をちりばめてきた」と暴露するネタ。母親のセリフのみで、息子のセリフはゼロ。

「社員寮は要するに犬小屋」「バウって鳴いたら海外転勤」みたいな会社と犬を掛け合わせたフレーズと、「離乳食にペディグリーチャム」「四つん這いで授乳」みたいな子育てと犬を掛け合わせたフレーズで間を持たせつつ、労働について思うことを役柄の中から言いました。このネタ自体は、次のネタへのフリっちゃフリです。

 

8 ピン   たかゆきと母 第十二話

ピンネタ二本目。これも録音音声を用いた一人コントです。まず、たかゆきのナレーションをバックにステージに立ち尽くす。立ってる僕はたかゆきなのか、と思わせて、ナレーションで実は母親でした、という設定で一つ笑いが起こる。ここまでで二分。時間の使い方が贅沢。

そこからは母の動作やしぐさに対して、たかゆきがツッコミを入れていく手堅めのコントに入る。でもここもフリでしかなくて、最終的には強盗が現れて、BGMにTHE BACK HORN「戦う君よ」が流れ、母親が強盗と戦うバトル展開に。

血がブシャーブシャーみたいな一連のアレがあって、最終的に占い師のコントで見せた超能力をもう一回発動。母は強盗を倒すんだけど、そのあとに自分にも能力を発動して自殺。BGMにたかゆきの歌う「春よ来い」が流れ、終了。

なんか物凄くウケました。

 

9 漫才  部屋が暗い

自分の部屋が暗いから明るくしたい、間接照明を買いたいという今井。間接照明を全否定する小保内。代替案を求める今井。変な代替案を提示する小保内。納得してしまう今井。要は前回の単独にも入れた洗脳漫才です。僕の理屈に今井が納得してしまって、乗ってきてしまうという内容。

「全身に蛍光ペンぬりたくれば反射によってお前がいるときだけ部屋が明るくなる、要は月と同じ原理」「だからお前俺が太陽だと思って俺の周り回ってみて、お客さんが地球の目線です」で天体コントに入る。

「これが上弦の今井、下弦の今井」「毎月15日お前見て俳句読むわ」みたいな月関係のボケを僕がして、回転しながらマイクの位置に来たら今井が突っ込む。やっぱり絵として面白いのでしょうか、大したこと言ってなくてもウケやすくなるなあと思いました。

そして最終的には、「近所の文房具屋の蛍光ペンを買い占めたら、それを本当に必要としてる子供たちに悪いから謝罪しに行こう」となり、「全身黄色いおじさんが自分のこと月って名乗って謝ってきたら確実に捕まる」「そしたらもっと暗い部屋に行くことになる」となって終了。

 

10  企画②

フリートークと休憩。

 

11  漫才  人間オーケストラ

これも洗脳漫才。

人間はお金で買えると主張する小保内。それは無理だと反対する今井。お金で買えたら人間を楽器にしてオーケストラがやりたい、という小保内。そんなんやったらダメだという今井。具体的に人間を楽器にする方法を羅列していく小保内。ドン引きする今井。だけどお金もらったら人間オーケストラに加担してしまう今井。小保内「今お前お金で動いたじゃん」

ちょっとこのネタだけ全体としてみて一段階ウケが落ちてたんですよね。ほかのネタはどれもよくウケてたんですけど。今思うと、前の漫才と仕組みが似てることと、ちょっと人間を楽器にする件が気持ち悪くてひかれてしまったかなあと。

「人間を横一列に並べて、それぞれに担当の音を決めて頭をたたいたら音を出すピアノ」「黒鍵は二列目」とか、「子供を抱えて口から息を吹き込むと体の穴という穴からピーって音出るトランペット」「女の子は横に構えてフルート」とか、「人間と人間を横からたたくことでガシンガシン鳴るシンバル」「こするとシャリシャリって鳴る」とか、結局ディティールにいけばいくほど気持ち悪さが増してしまったことが問題なのではないかと。

 

12  コント 自分のパンチラ見るおじさん

自分の仕事に意味を見いだせないために、自分が生きている意味もよくわからないというおじさんが、夜の小学校に忍び込み、自分のパンチラを見る踊りをすることで、生きること全体のハードルを下げている、というコント。

もともと好きなネタだったんですけど、よくウケてよかったです。今回の単独ライブではイチウケだったんじゃないかなと。

序盤からよくウケていたため、僕も流れに乗ることができ、アドリブ含めウケを取れるフレーズがバンバン出てきて、いい感じに。

 

13  コント 居酒屋②

今井とたかゆきが再登場。野球選手をクビになった今井、母親を失ったたかゆき、それぞれに生きる意味を失って落ち込んでいる。

人間は結局強いものに従って生きる楽器に過ぎない、暗いところから生まれて暗いところへ帰っていくんだ、と漫才のモチーフを一通り回収したところで、

今井「なんでこんなことになったんだろうな」
たかゆき「まあ、いや、俺が作ったから」

といきなりメタ展開。

ネタ作りの過程や練習の過程について一通り説明をし、舞台の上の出来事はすべて俺が考えたことだ、と発言。だってネタ作ってるの俺だもん。

今井「なんでそんなことしたん?」
たかゆき「ウケるかなって思って」
今井「軽率やわ」

で終了。

 

☆ 総じて

前回の単独と比較してもよくウケていたように思いますし、やりたいネタがやれたような手ごたえも感じています。言いたいことも言えたし、考えていたことも形にできました。群像劇チックな手法も使い慣れてきました。とにかく楽しかったー。

 

全体を通して、作り物はしょせん作り物だ、この世の中も作り物だ、軽率に行こうぜ、という僕の価値観が出まくっていたと思います。

Taiki Obonai 2014-